那須との出会い
最終更新: 2020年1月24日

エチオピアは、コーヒーの発祥地なんだそうです。
モカ、はイエメンの港の名前。
エチオピアで作られたコーヒー豆を、この港から出荷していたので、その豆もモカと呼ばれたそうです。
さらに「カフェ」は、エチオピアの、カファという地区の名前が語源だそう。
すべてのコーヒーの先祖となる、原木がこのカファの森にあるそうです。
数年前、ある日本人の若者が、導かれるようにして、この地を訪れました。
その木から、何かを託されたのでしょうか。
彼はその土地のコーヒー豆精製所(ウォッシングステーションといいます)をシラミつぶしにまわって、直談判をし、コーヒー生豆を輸入することになりました。
ただ輸入するだけではありません。
その中から最上級グレード(G1と呼ばれます)のみを選別する、という、それまでそこになかった工程を、作り上げました。
地元の人たちから、よほどの信頼を得ない限り、できないことです。
そして、選別を重ねた豆だけを商品化し、彼自身によるオリジン豆として、ブランドを立ち上げることになりました。
ガルテンビG1、と名付けられます。
ここまでやった人、日本人で初めてだそうです。

彼の名前は、柴田さん。
当時23歳。
柴田さんは、輸入を思い立った時に、コーヒーをイチから勉強したそうです。
全国のカフェも、ネットで調べまくりました。
その中で、とくに興味を惹く店が見つかりました。
栃木県の那須というところ。
しかも、人里離れた、車で行くのもやっと、という、奥の細道のさらに奥に、ひっそりと佇むカフェ。
なのに、お客さんがひっきりなしに訪れ、遠くからわざわざコーヒーを飲みにやって来る。
店主は、SCA(米スペシャルティコーヒー協会)が認定する、国際バリスタの資格を持つ方です。
日本に当時、十数人しかいないとのこと。
柴田さんは、彼のスタイルである「アポなし、飛び込み」で、わざわざ大阪から、その「山奥の」カフェを訪ねました。

その後、那須で初めてのコーヒーイベントが開催されました。
タイトルは「エクストリームコーヒー」。
柴田さんがメインゲストで、そのカフェのオーナーとのトークショーが、イベントの目玉です。
地元のカフェ、ロースターの方々が集まり、県外からも、たくさんの人たちが来場しました。
柴田さんが撮影した、エチオピア現地の映像も上映されました。
私は初めて、エチオピアの人たちが、家庭でコーヒー豆を焙煎し、生活の一部として広く親しまれている、ということを知りました。
その「コーヒーを飲む時間」こそが、エチオピアの最高の文化であり、この「文化」を、世界に広めたい。
これが、柴田さんの、大きなきっかけです。
私も、映像と、お話を聴きながら、それまで感じたことのない、自分の中で何か大きな屋根が開くような感覚がしたのを、今でも憶えています。
翌日の夜、別の場所でTEX仲村さんのライブがありました。
終了後、イベントでトークをしていたもう一人、国際バリスタ資格を持つ、カフェのオーナーと、初めて会うことになります。
☆ガルテンビのサイト