伝える人との出会い

最終更新: 1月16日

WAR、というバンドを、私はそれまであまり聴いたことがありませんでした。

1曲だけ「The World Is a Ghetto (世界はゲットー)」という有名な曲が、もとは彼らのヒットだった、という程度です。

代表曲「Why Can't We Be Friends?」が象徴するように、色々な出身、言葉の人たちが集まった、ソウル・ファンクバンドです。

バリバリのヒスパニック、アフロアメリカン、さまざまなカラーが、西海岸らしいスコーンと抜けたサウンド、ラテンぽいリズムとともに、はっちゃけて楽しませてくれるバンドです。

自由で、あったかい。

WARのメンバーに、日本人のハーピスト(ハーモニカ奏者)がいたとは、知りませんでした。

TEX仲村さんという方で、有名なリー・オスカーが脱退後、正式メンバーとなり、年間130本ものワールドツアー、そしてアルバムにも参加しています。

アメリカでは、引っ張りダコのミュージシャンなんだそうです。

久しぶりに彼がツアーで日本に来て、私の馴染みの店でライブをやる、とのこと。

東京ではなく、大自然に囲まれた遠いところに、そんなすごい人が、ライブをやりに来る。

あ、お店のⅠさんが、古くからの友達だったんですね。

もちろん、観に来ますよ。

また、ライブの前日に、Ⅰさんが主催メンバーである、初めてのコーヒーイベントが開催されるんだそうです。

エチオピアに渡ったコーヒーバイヤーの若者がゲストとのこと。

そちらも、たいへんに興味をひかれたので、では「2 days」で楽しませてもらうことに決めました。

テックスさんは、とても気さくな感じの人でした。

アメリカに行って、たった一人で、一流ミュージシャンたちの世界を渡り歩いてきたわけです。

それなりの凄みと、人を寄せつけない雰囲気を想像するものです。

ライブは、だれにも親しみやすい、ラテン音楽のスタンダード曲がほとんどでした。

曲の間の話が面白い。

ラテン音楽の歴史や様々なリズムを、演奏を交えながら、わかりやすく説明してくれます。

もちろん、テックスさんの歌も素敵です。

ただ、ひとたびハーモニカを吹くと、彼の存在感が、グッとオーラを放ちます。

先ほどの、凄み、というやつです。

小さなハープひとつに、すべてが込められている。

世界中どこであろうと、このハープだけで生きて行く「覚悟」。

他に逃げるところはありません。

自らの言葉であり、感情であり、メッセージ、生き方、それは彼の、生きるすべです。

そこには、素直な、つまり、嘘や、飾りのない説得力があります。

彼のハープが奏でる音は、いま自分が生活する、まわりの人々とかかわっていくための、共通の言語です。

その「ことば」を使って、伝えているのは、自身の生活であり、日常です。

生きざま、とでも言うのでしょうか。

スペイン語で、Vida(ビーダ)と言います。

ライブが終わって、テックスさんのCDを買い、サインをしてもらいました。

サングラスをはずすと、とても優しそうな目をしていて、気さくに話をしてくれました。

二言三言、スペイン語も交わしました。

そして、Ⅰさんが、昨夜のコーヒーイベントに出演していた、バリスタの方が来ているので、ぜひ紹介したい、と、店の入り口あたりに案内してくれました。

それは私にとって、次の世界へと足を踏み入れるための、大きな入り口の扉だったのです。

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