コーヒーとの出会い 2

ここはもう少し、詳しく話しておきましょう。
初めての中米、本場でのコーヒー体験についてです。
もちろん、あくまで私自信の感覚によるものなので、多くの方とかなりズレているかもしれないことをご承知おきください。
パナマのコーヒーは、美味しかったです。
ホテルの朝食や、一般的なレストラン等で出てくるものは、普通でした。
私が初めて美味しい、と思ったお店は、残念ながら忘れてしまいました。
が、確固とした印象を植え付けられたカフェがあります。
パナマ旧市街でふらりと入った、バハレケ・コーヒーハウスです。
今にしてみれば、それはそうでしょう。
あの、有名なエリダ・ラマスタス・ファミリー農園の直営店ですから。
メニューには大きくGeisha $9 と書かれていました。
他の観光客風のお客さんは、ゲイシャを頼んでいました。
まだ今ほどゲイシャを深く知らなかった私は、まずはスタンダードを、ということで、ゲイシャ以外の安いほうのコーヒーを注文しました。
もちろん、その値段にためらいを感じたことを、白状しておきましょう。
ゲイシャではないメニューにも、ナチュラル、ハニー、ウォッシュトと、3種類の製法がオプションにありました。私は、ナチュラルを注文しました。

口に入れると広がり、鼻から抜ける良い香り。
それまで味わったことのない、コーヒー、というよりチェリーのフルーティな味と香り。
フレーバーコーヒーとか、フレーバーティーみたいな印象。
これは毎日、何杯でも飲める。
私にとっての、お茶、のように感じました。
そう、かの地では「お茶のように」、生活の中でしょっちゅう飲まれる存在。
初めてそう気づき、私なりにコーヒーを再発見した瞬間でした。
その後、キューバに行き、滞在した家のお母さんは、顔を合わせるたび、「カフェ?」と私に聞き、毎日なんどもコーヒーを淹れてくれました。
キューバは、エスプレッソで飲むスタイルです。
それに、おいしいキューバ産の砂糖、中でもモレーノという、香りの良いブラウンシュガーを入れます。
ハバナの心地よい午後に、パティオの椅子に腰掛け、おしゃべりをしながら、コーヒーをすする。
とっても幸せなひとときです。
